5G通信時代の情報発信に必要な技術とは?
投稿日:2021年01月14日
カテゴリー:Web
投稿者:
みちこ
最近よく耳にする「5G(=第5世代移動通信システム)」。
そもそも5Gとは一体どういうものなのか?
5Gの実現は、私たちの生活にどのような変化をもたらすのか?
総務省の新世代モバイル通信システム委員会の資料を元に解説し、
5G通信時代の情報発信に必要不可欠な技術をご紹介いたします。
皆さん、こんにちは。
マニュアル制作のトリセツ配信担当の、みちこです。
2021年は、5Gに対応したスマートフォンや、5G使用可能エリアの拡充などにより、
5Gのネットワーク環境で提供される通信サービスが爆発的に普及すると予想されています。
一ユーザーとしては、便利なサービスが増えるということは大変ありがたいものの、
それとは裏腹に、情報を発信する側としては、
今以上に気を付けなければいけない点もあることでしょう。
そこで今回は、5G通信の新時代を迎えるにあたって、
情報を発信する側がどんなことに気を付けるべきか、
問題解決に向けてどういった技術が必要になるのか、
私と一緒に深掘りしてみましょう!
1.いまさら聞けない、「5G」とは?
「5G」とは、無線通信回線のひとつで、
5th Generation、つまり第5世代移動通信システムのことを指します。
無線通信技術の急速な発達や、
人々のワイヤレスネットワークに対する利用ニーズの高度化・多様化に伴い、
LTE(=3.9世代移動通信システム)、
4G(=第4世代移動通信システム)の発展形として導入が進んでいます。
この5Gは、現在の通信回線を発展させた「超高速大容量」の電波というだけでなく、
「超低遅延」「多数端末との同時接続」という特徴を備えています。
5Gという新規格の通信ネットワーク技術により、
身の回りのありとあらゆるものがリアルタイムでネットワークにつながる
IoT時代のICT基盤としての活用が期待されているそうです。
参考:情報通信審議会 情報通信技術分科会 新世代モバイル通信システム委員会報告
https://www.soumu.go.jp/main_content/000557250.pdf
【用語解説】
IoT(=Internet of Things)
身の回りのモノがインターネットにつながる仕組みを指す。
ICT(=Information and Communication Technology)
情報通信技術を活用したコミュニケーションを指す。
2.5G環境で変わる通信サービス
それでは5G回線ではどういったサービスが期待されているのでしょうか?
具体的な内容を見ていきましょう!
まず、先ほど触れたとおり、5G回線による通信には
・高速大容量
・低遅延
・同時多接続
という3つの大きな特徴があります。
これらの特徴により、通信ネットワークを介したビジネスは
大きく変わると言われています。
例えば、スマートフォンから4K,8Kといった高画質・高精細な
スポーツ中継をリアルタイムで、好きな角度から
多数の人と同時に観ることができるようになります。
そして、昨今のコロナ禍においてはライブイベントの開催自体が
困難な状況ですが、5G環境でAR・VR技術を併用することで、
遠隔地にいながらも実際のライブ会場にいるような体験を
することも可能になるでしょう。
その他にも、車の自動運転や、災害時における無人機の操作、
医療現場への活用など、今まで実用レベルでの技術はありながらも、
パケットデータの通信量や通信速度、通信データの遅延が足かせになって
実用化が滞っていた遠隔操作技術が、5Gによって現実味を帯びてくる
と言われています。
用語解説:
AR(=Augmented Reality)
拡張現実、実際の風景にCGを重ねて仮想空間を作る技術のことを指す。
VR(=Virtual Reality)
仮想現実、クローズされた仮想空間を現実のように感じさせる技術のこと指す。
3.リッチコンテンツの課題
5G環境が一般的になると、
ウェブサイト上で動画を使った、いわゆる「リッチコンテンツ」と呼ばれるものが
今以上に活発になると言われています。
文章や写真だけでは伝わりにくい内容でも、
動画にすることで細かなニュアンスが伝わりやすくなり、
「長い説明文を読まねばならない」という
ユーザーのストレスを減らすことにもつながります。
世の中には様々な商品やサービスが存在していますが、
「相手に知ってもらう、理解してもらう」
ということが、普及のためのなによりも重要なファクターではないでしょうか?
商品やサービスに対するユーザーの理解を深めるために、
よりわかりやすいコンテンツ形態へと移行していくのは、
自然な流れであると言えるでしょう。
しかし、リッチコンテンツさえあれば、
CX(=顧客体験)が向上するわけではありません。
モバイルファーストを念頭に、
情報の探しやすさや、わかりやすさにこだわることが重要です。
せっかく予算をかけて5G時代に合わせたリッチコンテンツを作っても、
情報が正しくユーザーに伝わらなければ、残念な結果になることもありうるでしょう。
そして、リッチコンテンツはちょっとした修正にもコストがかかります。
例えば、今あなたが読んでいるこの『マニュアル制作のトリセツ』は
テキストと画像を中心としたコンテンツです。
もし、コンテンツに誤字脱字や文章内容の誤りがあったとしても、
HTMLの記述を少し触れば、即時修正が可能です。
しかし、動画コンテンツで同様の修正をしようとすると
動画の編集(外注の場合、外注先への指示を含む)から、
サーバーへのアップロード、サイトへの埋め込み等、
テキストの編集に比べて多くの日数やリソースを割く必要があります。
リッチコンテンツの場合、こうした「修正のコスト」を念頭に置き、
コンテンツを最初に作成する時点で、
見落としがないよう可能な限り完璧なものに仕上げることが大切です。
用語解説:
CX(=Customer Experience)
顧客体験、コンテンツを通じてユーザーが体験する心理的な価値を指す。
4.デジタル新時代で有効なテクニカルライティング技術
5Gによるデジタルコンテンツのリッチ化に伴い、
情報発信も、より正確で研ぎ澄まされた内容が求められるようになります。
正しい情報をわかりやすく、適切な日本語で伝える技術のことを、
私たちの業界では、『テクニカルライティング技術』と呼んでいます。
マニュアル制作の現場で発展してきたテクニカルライティング技術は、
これからのデジタル新時代においても、非常に有効です。
たとえば、テクニカルライティング技術で重視される「コンテキスト」。
直訳すると「文脈」ですが、ここでは狭義的に
情報の送り手と受け手とのコミュニケーションの共通の土台と定義づけています。
「説明の対象」と「情報の受け手」を理解し、コンテキストを組み立てたり、
コンテキストを意識しながらコンテンツを作ることが、
テクニカルライティングではとても重要です。
このようなアプローチは、
動画やインタラクティブなコンテンツ制作において、ますます重要視されます。
こうした考え方を踏まえることなく
見た目だけリッチなコンテンツを作っても、情報の受け手にはなかなか響きません。
また、リッチコンテンツが主流になっていくとしても、
テロップやナレーションなど、言語による情報伝達は不可欠です。
そのため、テクニカルライティングの技術は十分に有効であると言えるでしょう。
まとめ
ここまでの内容をまとめると、
- 「5G」とは超高速大容量、超低遅延、超同時多接続という特徴を備えた無線通信技術。
- 5G通信が浸透すると今以上にリッチコンテンツが活発になると言われている。
- 予算をかけてリッチコンテンツを作っても情報が正しく伝わらなければ意味がない。
- 情報を正しく伝えるためにはテクニカルライティング技術が有効である。
ということをお伝えしました。
一番大切なことは、
「相手(ユーザー)に正しい情報を、正確に伝え、理解してもらう」
という考えが、今後ますます重要になってくる、ということです。
ちなみに、このテクニカルライティング技術を使って、
ユーザーの視点に立ったドキュメントを執筆する人のことを
マニュアル制作の世界では「テクニカルライター」と呼んでます。
一般的にはあまり聞きなじみのないテクニカルライターという職業については、
無料のダウンロード資料として、その詳細をまとめましたので、
下のサムネイルからぜひアクセスしてみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました!
みちこ