テクニカルライティング
投稿日:2017年05月12日
カテゴリー:ライティング
投稿者:
M・T
マニュアルやトリセツには、特有の執筆技術があるのをご存知ですか?
今回は、マニュアル・トリセツなどに記載する使用情報を正しく伝えるための執筆技術、テクニカルライティングを紹介します。
1. テクニカルライティングの特徴
テクニカルライターは、マニュアル・トリセツに記載する製品の内容について、お客様である開発の方々と日々打ち合わせをしながらマニュアル・トリセツを制作しています。打ち合わせでは、専門的な言い回しや用語が飛び交うことが多く、それをいかに分かりやすくユーザーに伝えられるか、表現を考えることにたびたび苦労します。
というのも、マニュアル・トリセツなどの実用文は、読み手に何らかの行動を促すことを目的とした文章だからです。確かに、専門的な言い回しや用語をそのままマニュアル・トリセツに記載すれば、専門的な見地から見れば正確でしょう。しかし、読み手は必ずしも専門的知識を持っているとは限りませんので、正しく行動することができません。
読み手が読んで行動できるように、しかも、誤解を生まないように、そして、簡潔で明快な文章を書く技術がテクニカルライティングです。これは、ユーザー視点のマニュアル・トリセツを制作するために必須の技術です。
2. 誤訳を防ぐテクニカルライティング
また、海外マーケットを視野に入れた製品のマニュアル・トリセツ制作においては、日本語から英語、英語からその他言語、と多言語展開が必要です。その際、日本語が意図する内容を正確に翻訳できるよう、他の言語に翻訳しづらいニュアンスを含む表現を排除するようライティングに細心の注意を払っています。
このように、誤解を生まないような簡潔で明快な表現を特徴とするテクニカルライティングは、誤訳を防ぐ役割をも担っているのです。とりわけ、英文については、誤訳を防ぐための制限的英語(Controlled English、あるいは、Simplified English)が盛んに研究され、実務に取り入れられています。
弊社では、専門のテクニカルライターが、テクニカルライティング手法を駆使して、日々、高品質のマニュアル・トリセツ制作に取り組んでいます。また、テクニカルライティングの視点からのマニュアルレビューも実施しています。