マニュアル形態のいろいろ
投稿日:2019年07月18日
カテゴリー:豆知識
投稿者:
ふくちゃん
ひとことで「マニュアル」と言っても、その形態にはいろいろあります。
ライティング、レビューなどの私の業務で取り扱うマニュアルの形態も、バラエティに富んだものになってきています。
このブログの読者の皆様には周知の内容もあるかも知れませんが、この機会にメリット・デメリットも含めてまとめてみましょう。
1.紙マニュアル(冊子)
言わずと知れた、マニュアルの王道です。
「無くなる無くなる」と言われ続けていますが、まだまだ消滅することはない、と私は感じております。(大きく変化・淘汰されていくとは思います)
コレ一冊あればユーザーが必要とする情報が全て手に入る、いつでも手にとって読める、という利点はユーザーにとってもメーカーにとっても、大きな安心に繋がります。
一方で、情報を詰め込み過ぎて読んでもらえない、というジレンマは常につきまといます。
メリット | ・いつでも手元に置いて参照できる。 ・必要な情報を網羅しやすい。 ・紛失しないかぎり(ほぼ)永久に存在する。 |
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デメリット | ・工夫しなければ読んでもらえないリスクがある。 ・かさばる。 ・コストがかかる。 ・紛失する。 |
2.紙マニュアル(シート)
これも根強く採用されている形態です。据付説明書や工事説明書に採用されることが多い大判のものや、的を絞った情報を凝縮した簡単マニュアルやクイックリファレンスなどに採用される小さめのものに分けられると思います。
大判のものは工事の現場などでバッと広げて作業を俯瞰できたり、折りたたんで必要な部分に注目したりと取り回しも良好です。
小さめのものは情報を限定してまとめることで、ユーザーの「困った」や「知りたい」にレスポンス良く対応できます。
その反面、紙面の都合もあり、これ単体で全ての情報を網羅することが難しい場合も多くあり、他形態との連携が必要になる場合が多いです。
メリット | ・現場で扱いやすい。 ・必要な情報が俯瞰できる。 ・記載内容を特化できる。 |
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デメリット | ・必要情報の欠落が起きやすい。 ・単品ではマニュアルとして不足。 ・(他形態との組み合わせにより)コストが増加する。 |
3.Webマニュアル
最近特に増えてきたのが、このWebマニュアルです。
過渡期なのでしょうが、単にPDFをWebで閲覧するだけのものから、しっかりとHTMLで操作性も熟考して作られているものまで、様々なマニュアルがあります。
しっかりとマニュアル設計されたHTMLマニュアルは見やすく扱いやすく、情報も得やすい非常に優れたマニュアルになります。今後に大きな可能性を感じる形態です。
それゆえにマニュアル設計の段階で、時間と労力をかける必要があります。また従来のマニュアル制作とは違ったノウハウが必要になるので、技術面でのハードルも上がります。
メリット | ・マニュアル作成および更新の作業が簡単。 ・情報量が多くてもマニュアル設計の工夫でカバーできる。 |
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デメリット | ・マニュアル設計に新しいノウハウが必要。 ・マニュアルの品質が使用する技術に左右される。 ・永続的に維持するコストがかかる。 |
4.動画マニュアル
こちらも最近よく見かけます。お困り事の解決や、コツやリスクをピンポイントで伝えるために使用するケースがほとんどです。
動画だけで全ての情報は伝えられませんので、他形態のマニュアルがあることが前提です。そういう意味ではコストアップというデメリットは避けられません。
また、通信インフラが整った昨今とはいえ、長時間の動画はユーザーには喜ばれません。動画化する際には、情報の絞り込みが重要です。
メリット | ・伝えたい内容をピンポイントで伝えられる。 ・紙媒体では表現しづらい内容を伝えられる。 |
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デメリット | ・単体ではマニュアルとして全体を網羅できない。 ・永続的に維持するコストがかかる。 ・他形態との組み合わせが必須なためコストが増加する。 |
ざっとこんなものでしょうか。それぞれのメリット・デメリットを理解して、適切な形態を選んでいきたいですね。