そのマニュアルで大丈夫?ユーザーはマニュアルを見ながら実機を操作できる?
投稿日:2017年06月12日
カテゴリー:ライティング
投稿者:
M・T
マニュアルやトリセツは、開発・設計情報を整理して掲載すればそれでよいのでしょうか?この記事では、ユーザー視点の実機チェックについて取り上げます。
1.実機チェックとは
マニュアル制作時、テクニカルライターは、開発者から製品サンプルをお借りして実際に製品を触ります。これは、製品の使い方や組み立て手順をイラスト化や文章化していく際に、文書では知りえない実物の情報を知る必要があるからです。
確かに、寸法や質量や材質などの仕様は、知識としては文書情報で十分かもしれません。しかし、手にしたときの感触や、安定感、可動するパーツの遊び、固定や解除のための力加減などは、どうでしょう?実物を触ってこそ、最適な注意喚起や使用説明ができるはずです。
2.ユーザーテスト
近年、スマートフォンなどの端末をはじめ、様々な製品の操作がどんどんシンプルになっており、直観的に操作できるものが増えてきています。 では、使用説明は不要でしょうか?
そうではありません。直感的操作ができる人は、既存品、類似品の扱いに慣れている人です。そのような製品に慣れていない人、初めてそのたぐいの製品を使う人向けに使用説明は必要です。
そこで、ユーザーテスト、すなわち、マニュアルを見ながら実機を操作してもらい、記載内容を確かめるテストがマニュアルの品質向上に有効です。
3.実機チェック、その一歩先へ
テクニカルライターとして、日々、マニュアル制作に関わっている人間としては、マニュアルを製品の使用方法を知るツールとしての在り方に加え、便利な使い方やテクニックを知る、製品使用の向上を啓蒙できるツールを目指せればと思うことがあります。
先にあげたマニュアル制作時に行う実機チェックとそこで出てくる使用方法への疑問を開発者への取材で解決する過程で、マニュアルに載せた方が良い便利な使い方が生まれていくことがあるかと思います。
それらをどんどん盛り込んでマニュアルの重要性を高めていきたいと思います。
このような情報発信も、テクニカルライターの使命のひとつと考えて、日々マニュアル制作に取り組んでいます。