マニュアルのデザイン変更は無間地獄への入口
投稿日:2021年01月27日
カテゴリー:デザイン・レイアウト
投稿者:
青黒魂
深みにはまるマニュアルデザイン
長くマニュアルを作成していると、既存のマニュアルを改善するタイミングが訪れます。
- ・お客様からの問い合わせを減らすために、レイアウトや内容を見直したい。
- ・十年近くデザインを変えていないので、ちょっと古くさく見えてきた。
- ・今はもう使用していないアプリケーションで作成されていて、作り替えのタイミングでデザインを一新したい。
etc…
改善の理由は様々あると思いますが、念頭に置くべきは「見やすく」「理解しやすい」マニュアルにするということ。それを忘れ、見た目重視でデザインを作り込んだりすれば、確かに格好よくてお洒落なマニュアルになるでしょう。
・・・・見た目はですが。
実際にマニュアルが出来上がってくると
「もうちょっとこうするか?」
「ここはさっきの方が良かった」
「このマークはもっと目立たせたい」
さあ大変!
次から次へと気になるところが出てきます。
さらに、提出したものに対してお客様からも要望が入ってくると、ますます深みへとはまっていきます。
あれやこれやに対応しようとしているうちに「これはもうフォーマットからやり直した方が早いのでは?」と思い始め、フォーマットに手を付けようとすると・・・・
無間地獄がすぐそこに口を開けています。
それまで進めていたデザインを置き換えていくのも大変ですが、やっていくうちに「もうちょっとこうするか?」と少し前に見た光景へとループします。「見やすい」「理解しやすい」マニュアル作りが、気付けば「こだわりデザイン」のマニュアル作りへと変わってしまい、修正と作り直しの無間地獄にはまっている・・・・
なんてことも。
やっとのことで完成したとしても、そのデザインを他の物へと展開する際には『マニュアル作成用マニュアル』を作成しなければならないという、冗談のようなことが起きかねません。
マニュアル作りの基本は「理解しやすい」こと
マニュアルの本来の目的は、エンドユーザーから見てマニュアルが「見やすく」、操作が「理解しやすい」ことです。作り手のこだわりや自己満足のためのものではないのです。
理想をいえば、満足のいくデザインで、見やすくて解りやすいマニュアルができればいいと思います。
しかし、作り手のこだわりとユーザーの理解しやすさは相反するところがあり、身も蓋もない話ですが、どこまで行こうとも交わることはないと思っています。
それでも私たちは、日々高いレベルで交わるところを探しながらマニュアルを作成しているのです。
結局は、シンプルなデザインが一番見やすくて、内容も理解しやすくなります。
デザインを削ぎ落としていくことは必須
シンプルなデザインにするメリットは他にもあります。
最近では、CMS(Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム)を使ってWEBへ展開したり、自動組版を使って紙面への流し込みをおこなうこともあります。
CMSや自動組版は、データベース上に登録された素材(イラストやテキスト)を、文字通り自動でレイアウトしていきます。あらかじめ何パターンかレイアウトのベースを用意しておき、そのパターンへとデータの流し込みをおこなうのですが、当然ながら複雑なレイアウトには対応できません。
将来的にWEB展開や自動組版などを使うことを考える場合は、無駄を省いたできる限りシンプルなレイアウトにしておくと、後々対応しやすくなります。
シンプルで見やすく理解しやすいマニュアルを目指す訳ですが、それだとどのマニュアルも似たものになってしまいます。それを防ぐために、我々マニュアルのプロが日々知恵を絞り、同じにならないように頭を悩ませているのです。
DL資料「ウェブマニュアルはモバイルファーストで!」へのリンク