マニュアル制作においても重要なUXライティングの3原則とは?
投稿日:2021年07月26日
カテゴリー:ライティング
投稿者:
S山
デジタルプロダクトにおいて、ユーザーは画面内に現れる言葉を頼りに操作を進めます。
UXライティングとは、この画面内に現れる言葉をデザインすることを言います。
つまり、どういった言葉で伝えれば誤解なく伝わるか、ユーザーに操作してもらえるかを考えるということです。
UXライティングを含めたユーザー体験全体をデザインすることがUXデザインになります。
UXライティングの3原則
このUXライティングにおいて重要とされる3原則をGoogleでは次のように挙げています。
1. 明確に clear
2. 簡潔に concise
3. 役立つようにuseful
UX Writing: How to do it like Google with this powerful checklist より
この3原則、説明書や技術文書を書く上でも念頭におくべきものです。
明確に
会社や業界のなかでしか通じないような専門用語を使わずにユーザーにとって明快な言い回しにすることです。
例えば、昨今の取扱説明書では、専門用語が出てくることはそれほどありません。
ただし、技術者向けの文書だと「専門用語を知っていて当然」と見なされ、それこそ専門用語だらけになってしまうことが多くあります。
たとえ業務用の技術文書であっても、主にその文書を読むのは業界経験のある熟練の方々ではないということを忘れずにいましょう。
簡潔に
よく言われることですが、一文一義を心がけましょう。
不必要な言葉は削って最低限で伝わるような工夫をしましょう。
役立つように
言葉が役に立つとはどういうことでしょうか。
操作の際に役に立たない言葉とは「どうしていいかわからない言葉」です。
書いてある言葉の意味はわかるものの、どうすればいいのかが伝わってこない文章、言葉。
これの反対で、次にどうすればいいのかが具体的にわかること。それが役に立つ言葉です。
UXライティングでマニュアルは不要に?
UXライティングとは製品における言葉の使い方、書き方ということなので、製品開発の現場で必要になる手法および考え方になります。UXライティングがなされていない製品は結局のところ、取扱説明書でフォローするしかなくなります。
製品以外にもシステムや手続きをするためのシステムやサービスなど、UXライティングで工夫・改善できるところは多々あります。
わかってもらえないから説明書で説明するというのは当たり前のようですが、そもそもの話でいえば、わかってもらう工夫が製品やサービスにも必要です。
テクニカルライティングとUXライティング
技術文書というのはもともと製品の開発者、エンジニアと呼ばれる人たちが書くもので、それを体系的にわかりやすく書く技術としてテクニカルライティングがあります。
テクニカルライターは主に製品の開発現場に入りこんで、技術文書を読み解きながら、それをユーザーに伝わるような文章に翻訳していくことになります。
昔は製品開発の現場はそれこそエンジニアだけでしたが、今ではUIデザイナーやUXデザイナー、UXライターも開発の現場に入っていることが多いのではないでしょうか。
テクニカルライティングとUXライティングには共通するところがたくさんあります。
「明快に」「簡潔に」「役に立つように」という3原則もそのままテクニカルライティングの現場でも言われていることです。
わかりにくい操作を説明する文章がわかりにくくては何の役にも立ちません。
UXライティングの3原則を踏まえてマニュアルのライティングにおいても「わかりやすさ」を目指しましょう。