体験できるマニュアル?Mixed Reality(複合現実)と説明書の未来
投稿日:2018年09月20日
カテゴリー:豆知識
投稿者:
S山
これまでのマニュアルは説明文章を「読む」のと同時にイラストなどを「視る」ことによって、ユーザーの想像力を頼りにしてきた部分があるというのは否めません。
その課題に対してひとつの回答が「動画」のマニュアルと言えるでしょう。動画は「視る」ことによって、より細かにユーザーの理解を促進してきました。
しかし、動画マニュアルでも理解できない、理解しづらい箇所がまだあるというのも現状です。
そこに新たな解決方法、ソリューションが現れたといったら、また勇み足だと言われそうですが、Mixed Reality(複合現実)にはこれまでの常識を超えていきそうな期待があります。
Mixed Reality(複合現実)とは
Mixed Reality(複合現実)といきなり言われても何のことやらですよね。ポケモンGoのおかげでようやく少し一般的になってきたAR(拡張現実)というのがありますが、Mixed Reality(複合現実)というのは、それと似たような技術です。
マイクロソフト社のホロレンズというゴーグルを使い、現実空間に仮想空間を重ねることで、その場にモノがなくても、モノを様々な角度から視てとれる、ジェスチャーで操作できるというものです。
なにはともあれどういうものかは下記のページをご参照ください。
複合現実テクノロジーの先導者 | HoloLens
https://www.microsoft.com/ja-jp/hololens
これ、未来の世界?と一瞬思われるかもしれませんが、すでに現実なんですよね。
ビジネスの現場でのMR
ARやVR(仮想現実)というと、どうしてもホビーユースなイメージが先行してしまうのですが、面白いのはこのMR、マイクロソフト社が推進しているだけあって、ビジネス向けの技術なんですね。ホロレンズもそのぶん高価ですが。
例えば、工事現場や工場のラインなど、ホロレンズはパソコンが不要なので、そうしたシーンで利用されていたりするようです。
これまでのマニュアルは(紙であれ、動画であれ、ウェブページであれ)その場で視ながら作業ということが難しかったわけですが、ホロレンズのようなデバイスが登場することで、視ながら、確認しながらの作業が可能となるわけです。
現実空間に重ねられる仮想空間には実物と違わないサイズでその「モノ」があるわけなので、実際の作業をそのままのかたちでイメージできます。これまでの想像力に頼らざるをえない状況から見ると飛躍的な進化と言えます。
これからのマニュアル
複雑な機械のメンテナンス、危険を伴う作業の方法、技術伝承が難しかった職人的な勘に頼った作業。マニュアルにはそうした方法をいかにわかりやすく伝えるかという使命があります。マニュアルをつくる=製品に同梱されている薄い冊子をつくる、ではないのは言うまでもありませんが、現実はもっともっと先にあるということを感じます。
先日、iOS12が発表されましたが、アップルもARには力を入れてきているようです。今後もMR、VR、ARなどのキーワードには注目していきたいと思います。