これだけで180度変わる!見やすいマニュアルのレイアウト術!
投稿日:2021年08月04日
カテゴリー:デザイン・レイアウト
投稿者:
やまちゃん
以前、当サイトブログの「見やすいレイアウトの法則について」にて、
Zの法則やFの法則をご紹介しました。
これらは、人の視線の導線を意識したレイアウトを作成することで自然に読みやすくなる、という法則で、取扱説明書などのマニュアルには欠かせない考え方のひとつです。
しかし、これらの法則さえ意識すれば完璧に見やすくなる、というものでもありません。
今回ご紹介するのは、視認性を意識したレイアウトデザインにするためのテクニックです。
視認性を意識することで、マニュアルを劇的に見やすく改善できます。
視認性とは?
辞書で調べてみると「目で見た時の確認のしやすさ」という意味が載っています。
視認性を意識するというのは、つまり目で見て確認しやすい状態にするということです。
視認性が低いレイアウトって?
そもそも、どういうレイアウトだと、
視認性が低い(目で見て確認しにくい)マニュアルになってしまうのでしょうか?
実際に見たことのあるマニュアルの中から、
「見にくい」と感じた事例の共通点を考えてみました。
・テキストや図の配置が不揃い
・必要な情報が一目で見つけにくい
・余白が少ない
どれも、ついついおろそかにしてしまいがちなポイントです。
このうち一つでも当てはまっていると、
書き手からすればさほど気にならないかもしれないことでも、
読み手=ユーザーにはかなり「見にくい」印象を与えてしまいます。
説明がどれだけ分かりやすく書かれていても、
読む前に「見にくい」と思われてしまうと、そもそも読んでもらえない!なんてことも。
誰にとっても易しい、読みやすいマニュアルを作るためには、
何よりもまず視認性の高さが大切なのです。
言い換えると、
ユーザーにマニュアルの熟読を求めるのではなく、
一目見ただけで情報が見つけやすい状態のマニュアルを提供しよう、ということです。
このことを踏まえ、
レイアウトを見やすくする3つの具体的なテクニックをご紹介します。
ちなみに、『マニュアル制作のトリセツ』では、
のちほどご紹介する3つのテクニックを含む、様々なレイアウトテクニックを、
無料のダウンロード資料としてまとめています。
下のバナーより、1分程度の簡単な入力で入手可能となっていますので、
ぜひ、ダウンロードしてみてください。
① 揃える
たとえば、本を探している人がいたとします。
シリーズごとにきちんと整頓された本棚と、文庫本も雑誌も一緒くたに突っ込まれた本棚があったとしたら、おそらくその人は整頓された本棚に向かいますよね。
凸凹が少なく、あるべきところにきちんと収まっていると、
見た人に「整理されている」という印象を持たせることができます。
マニュアルのレイアウトも同様です。
テキストにしろ、図にしろ、端が揃っていると
それだけで「情報が整理されている」と思ってもらえるのです。
具体的には、各情報のまとまりの上下左右を見えない線に沿って揃えたデザインにしましょう。
下の2つの図をご覧ください。
レイアウトを整える前の状態に比べ、整えた後のレイアウトは格段に見やすくなっていますね。
(ここでは、見えない線を仮に可視化しています)
視線の導線の関係上、特に上端と左端は揃えたいところです。
上の例では図を長方形で示していますが、製品イラストなどの端が曖昧なものは、中央で揃えて配置する場合も多いです。
② 関連情報をまとめる
「まとめる」と一口に言っても、アプローチの方法は様々にあります。
・関連する文章と図どうしを近くに配置する
・背景色を関連項目ごとに変える
などです。いわゆるグルーピングです。
グルーピングすることによって、
視覚的に「ひとまとまりの情報である」ということが分かりやすくなります。
マニュアルには、図や表がふんだんに使われていますよね。
これは、テキストだけでは伝えにくい内容をより伝えやすくする工夫の1つです。
ということはつまり、テキストと図などの情報は常に紐づいているわけです。
これがもしバラバラに配置されていると、
何がどの説明なのかを探す手間が増え、扱いづらいマニュアルになってしまいます。
仮に、
「10ページ後に載っているイラストを見てください。
まずAのボタンを押します…次に…」
と書かれていたとしたら、途端に読む気が失せてしまいますよね。
それは極端な例としても、
たとえば次のようにレイアウトを直すだけでも、情報の拾いやすさは大きく変わります。
ここでは、テキストと図を近づけること、色で分けることを同時に行っています。
上のグループがAについて、下がBについてであることが一目瞭然になりました。
③ 余白を有効利用する
余白は、単なる「余ったスペース」ではありません。
「余白の美」なんて言われるように、余白に意味を持たせるのも重要なテクニックなのです。
とりわけマニュアルにおいては、余白によって
・視線を情報に注目させる
・説明や内容の区切りなどを明確にする
という点を意識しましょう。
以上、3つのテクニックについて解説しました。
一見簡単そうな内容かもしれませんが、どれも外せない重要なポイントばかりです。
これらを意識的に取り入れることで、マニュアルをさらにブラッシュアップできますよ。
マニュアルのレイアウトについて取り上げた記事は他にもありますので、
そちらもぜひ、マニュアル制作業務にご活用ください。
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