マニュアル健康診断を受診して、使用説明の改善を図りませんか?
投稿日:2018年08月06日
カテゴリー:レビュー
投稿者:
Tommy
自社の取扱説明書やマニュアルには、必要な事項がきちんと記載されているのだろうか?…伝えたい内容がきちんとユーザーに伝わっているのだろうか?…そんな不安を解消しませんか? 不安を解消し、使用説明を改善するための第一歩は、現状を知ることです。今回の記事では「マニュアル健康診断」をご紹介します。
1.マニュアル健康診断とは?
「マニュアル健康診断」は、取扱説明書・マニュアル(以下、「使用説明」と言います。)を分析し、評価結果を定量的(数量的)に表すことにより、客観的に現状を把握するための診断サービスです。
診断では以下のポイントを評価します。
1) 安全性など基本的な情報がもれなく記載されていること
2) 5W1Hの観点からユーザーシナリオを想定した設計がなされてい
客観的で定量的な評価結果を知れば、改善の優先順位が見えてきますので、計画的に使用説明の改善を図ることができます。
2.レビュワーの心構え
「マニュアル健康診断」の評価者(レビュワー)は、次のような点を特に意識して評価を実施しています。
●その1.粗探しをしない
使用説明に対する一般的な評価は、「良い」か、「悪い」か、ではないでしょうか。しかし、現実には、資源の制約があるため、品質、コスト、納期のすべてを満足させて使用説明を制作することは困難です。また、品質と一言で言っても、利用者から見た「ユーザー品質」と製造者から見た「製造品質」は完全に一致することが稀ですから、メーカー視点では問題ないが、ユーザー視点では改善の余地がある、という評価になることもあります。 重箱の隅をつつくように粗探しをすることは、不安の解消と、使用説明の改善にはつながりません。「マニュアル健康診断」の評価には必ず、ある視点が存在します。たとえば、「ユーザーシナリオを想定した場合には、このような箇所に課題があります。」「テクニカルライティング技術の観点からは、このような箇所に課題があります。」といった指摘です。
●その2.できるだけ改善提案をする
「マニュアル健康診断」の評価者(レビュワー)は、できる限りこうしてみてはいかがでしょうか?といった改善提案をコメントできるように意識しています。
具体的には、
▪文章のスリム化(冗長表現の削減、箇条書きの提案など)
▪イラストの見せ方(引出し線の引き方、角度、ここを強調してみては?など)
といった提案です。
3.診断結果の活用
「マニュアル健康診断」は改善の第一歩です。評価対象の使用説明について、より具体的な修正指示が必要な場合は、使用説明制作の専門家(テクニカルコミュニケーター、テクニカルライター)のアドバイス(有料)を受けることができます。
対象の使用説明に限らず、制作の仕組みづくりの改善が必要である場合は、使用説明制作の専門家(テクニカルコミュニケーター、テクニカルライター)のコンサルティング(有料)を受けることもできます。
例
●ガイドライン設計
目標を達成するためにプロセスを管理します。文書による作業の標準化、シートを使った作業の見える化、ツールを使った作業の効率化を進めます。
●ユーザー辞書設計
用語統一、表現統一を継続していくための用語集(ユーザー辞書)を設計します。禁止用語および言い換え用語、使い分け用語および使い分けルール、用法限定用語を登録することで、初校から校了、さらには校了後の改訂まで、用語管理を徹底します。
●スタイル設計
情報の見え方を検討し、ドキュメントのスタイル(組方方針)を設計します。使用説明の各要素が分かりやすいビジュアルを追求します。