合字ってなに?そのリスクについて
投稿日:2019年11月12日
カテゴリー:DTP
投稿者:
マッサン
合字(Ligature)をご存知ですか?
DTP ソフトで設定可能な合字機能ですが、なんとなくオンにしていると、思わぬ問題が起こりかねません。合字の基本を理解して、適切に設定しましょう。
1. 合字ってなに?
合字(Ligature)は、2 字以上の欧文文字を1 つのボディーに合わせたものです。まずは和文文字と欧文文字の違いからおさらいしましょう。
書体の和文文字は幅と高さが同じ長さになるように設計されています。たとえば、8 ポイントであれば、その和文文字の幅は8 ポイント(約2.82 mm)、高さも8 ポイントです。
これに対し、欧文文字は高さも幅もバラバラな上に、文字の形によってはアキが大きく見えることがあります。
多くの書体では、小文字のf の上部が右に出ているので、f やi やl との字間が空いているようにみえます。
そこで、f やf やf のつづりが出てきたときに、合字に置き換えて見た目を調整する、という手法がとられています。
2. 検索できない!余分な空白が混じる!
合字に置き換えることによる問題は、PDF を生成した際、検索できなくなる場合がある、ということです。下の画像のように、見た目では確かに”efficient ”という単語が存在しているのに、検索結果は「一致するものはありませんでした。」となっています。
また、PDF 上のテキストを選択し、コピーして、メモ帳に貼り付けると、余分なスペースが混入する、という現象が生じることがあります。
3. どうする!?合字?
結論から言えば、合字の設定はオフにした方が良いでしょう。理由の一つは、Helvetica などのサンセリフ系フォントでは、合字処理が行われた前後で、見た目が変わらないからです。もう一つの理由は、DTP ソフトでは文字間の調整が自動で行われるようになっており、合字をオフにしても、文字間のアキが気にならないからです。
環境によっては、合字をオンにした状態でも、上述の不具合は生じません。しかし、不要な合字設定をオンにした状態のままにしておくと、意図せず合字処理が行われ、思わぬ不具合が発生する可能性があります。
いま一度、設定を確認してみてはいかがでしょうか。
※デフォルトの設定は、ソフトウェアやバージョンによって異なります。