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投稿日:2022年05月24日
いつもお世話になっております。
『マニュアル制作のトリセツ』メールマガジン担当の吉田 愛です。
突然ですが、『SDGs』という言葉をご存じでしょうか?
少し前までは、聞いたことがないという方も多かったかもしれませんが、
昨今のメディアや企業発信による周知活動によって、
「詳しい内容は知らないけど、単語は知っている」
という方も増えてきているのではないでしょうか?
SDGsとは、
持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のことを指します。
持続可能でより良い社会の実現を目指すための世界共通の目標として、
2015年の国連サミットにて採択されました。
2030年を達成年限とし、17のゴール・169のターゲットで構成されています。
国連加盟国である日本も、このSDGsを推進しています。
とはいえ、SDGsなんて規模の大きすぎる目標と、
日々のマニュアル作成業務をつなげて考えることはあまりないですよね。
しかし、マニュアルというコンテンツでも
SDGsの観点から考えたい部分があります。
今回のメルマガでは、いつもと趣向を変え、
『マニュアル作りにおけるSDGsを考えよう』をテーマに、
コラム形式でマニュアルとSDGsとの関係性をご紹介いたします。
なお今回は、マニュアルのなかでも、
とりわけ製品に付属する取扱説明書に焦点を当ててお話しすることとします。
一般的に取扱説明書と言えば、紙の冊子をイメージされる方が多いと思います。
実際、ほとんどの場合、
電化製品などを購入すると取扱説明書の冊子が付属していますよね。
製品の取り扱い方法や設置方法はもちろんのこと、
使用時の注意点、困ったときや故障かなと思ったときのQ&Aなど、
取扱説明書には数多くの記載事項があります。
製品が複雑なものになればなるほど、ドキュメントのページ数は増えていきます。
紙の原材料は木材です。
紙を多く使用すれば、それだけ森林伐採による環境破壊にも影響があります。
持続可能な社会を目指すSDGsにおいて考慮したい問題です。
また、目先の話をするなら、ドキュメントのボリュームは
製品全体の製造コストにも大きくかかわってきますよね。
かといって、ページ数削減したいがために、
例えば文字サイズを読みにくいほど小さくする、
必要なイラストを省く、極端に情報を絞る、
といった強引な解決は避けたいところです。
単に分かりにくい取扱説明書になってしまうだけでなく、
かえって問い合わせが増えてカスタマーサポートのコストが増大したり、
ブランドイメージが低下してしまったり…
といった問題にもつながりかねません。
取扱説明書の有用性を保ちながら紙の使用量を少なくするには、
どんな解決法があるでしょうか?
いくつかの方法を私なりに検討してみました。
まずは、テクニカルコミュニケーション技術でもって表記や見せかたを検討し、
情報量は変えずに簡潔に整理する、という方法です。
『マニュアル制作のトリセツ』では、
ライティングや見せかたに関する記事など、
マニュアルを作成する上で押さえたいポイントなどを多数紹介しております。
詳しくは下記のリンクなどをご覧ください。
次に、「紙からの脱却」についても考えてみました。
ここで一番に思いつくのは、やはりWebマニュアルでしょう。
といっても、
完全に紙の取扱説明書を廃止して、Web一本にしよう!
ということではありません。
Web化によって、紙代や印刷代などの削減は可能ですが、
「Web化」自体にもかなりのコストがかかりますし、
想定される製品のユーザー、製品を使用する状況などによっては
あまり適さない場合もあります。
(今後もっとDXが加速すれば、こういった懸念は薄れる…かもしれませんね)
先述した通り、取扱説明書には記載すべき情報がたくさんあります。
これらの情報は、必ずしも紙媒体で提供しなければならない、
あるいは1つにまとめて提供しなければならない、というものではありません。
その製品を使用するユーザーが、
必要なときに閲覧しやすい形態で提供することが大切です。
言い換えると、
やはりこれまでと同様に紙媒体で提供したほうがいい情報や、
Webのほうが提供しやすい(ユーザーが受け取りやすい)情報が
あるのではないか、ということです。
ここで、架空の製品を例に、紙とWebの使い分けを考えてみました。
【例】多機能オーブンレンジの取扱説明書
・紙媒体で提供したい
はじめて製品を使うときに必要な情報
(製品の設置場所や操作方法、基本的な機能など)
使用する前に知っておくべき、ユーザーの安全にかかわる注意事項
など
・Webで提供したい
機能をフル活用した料理のレシピ
よくあるお困りごと(FAQ)
故障が疑われるときのトラブルシューティング
簡易な問い合わせに対応できるチャットボット
など
以上はあくまで一例ですし、
今のところ明確な答えがあるわけではありませんが、
こうした見かたを持つことがマニュアルの改善に、
ひいてはSDGsを考える第一歩につながるのではないでしょうか。
弊社では、お客様からいただいた原稿をそのまま形にするというだけでなく、
案件ごとに最適な形態で、
より分かりやすいマニュアルに仕上げるには
どうすればいいのかを常に考えながら、
プランニング段階からお手伝いをさせていただいております。
新しくマニュアルの作成を検討している、
どこから着手していいか分からない、
どこからどこまで依頼すべきか分からない…
といったお客様には、
Webミーティング形式での無料の個別相談会も随時承っております。
マニュアルに関するお困りごとや、改善のご相談など、
どんな些細なことでもかまいませんので、お気軽にお問い合わせください。